蟲(ムシ)と見て、あなたは何を想像しますか?虫ではなくて蟲です。昆虫や、ムカデとかを思い出しますか?
今回紹介する「蟲師」は蟲専門の医者のこと。現実では存在しない職業ですが、まずはいったい蟲ってなんでしょうか?
今回は、人間と蟲とが隣り合わせで生きている物語のお話「蟲師」の紹介をしていきますね。
蟲師第一話緑の座 ※アフタヌーン pic.twitter.com/eYzRCELuCo
— ジョージ(@George_T_O)2023年3月17日
- ジャンル:伝奇・ファンタジー
- 作者:漆原友紀
- 出版社:講談社
- 掲載誌:アフタヌーンシーズン増刊/月刊アフタヌーン
- 発売日:2000年11月20日
連載は、アフタヌーン増刊にて1999年から開始。けっこう古い作品ですよね。その後、月刊アフタヌーンにて2003年から2008年まで連載されました。
物語は一話ずつ完結するので、「次はどんな蟲の話なんだろう」とついつい読んでしまう。妖怪物は結構根強い人気があるけど、ただのオカルトちっくなものとは違うんですよ。
蟲は妖怪ではないけど、人には見えにくい生物。そんな蟲が起こす、不思議な物語が読み手を引き寄せるのでしょう。
『蟲師』登場人物
『蟲師』の登場人物を紹介します。物語は、一話ずつ完結するので主な登場人物を紹介してていきますね。
ギンコ
主人公の蟲師。白髪で緑眼をしていて左目を隠しています。本当の名前はヨキですが、幼少期に行商をしていた母に連れられて旅をしていました。
不運にも、がけ崩れで母を失い行き倒れたところを蟲師のぬいに拾われます。ぬいの家の近くにある池に棲む蟲が原因で白髪緑眼になってしまいます。
さらに、左目と過去のすべての記憶までも失ってしまいます。その後、ギンコと名乗り蟲師としての生きていきます。
化野(あだしの)
海辺の里の医者。人徳があり、里の住民から信頼されています。珍しい物が好きで収集してますが、その趣味が引き金にトラブルが起きることもあります。
ギンコの知人ではありますが、蟲に関する曰くつきの物を売りつけて路銀を稼いでいます。時々、偽物もあるため最近売り物に疑り深くなってきています。
狩房淡幽(かりぶさ たんゆう)
狩房家の娘であり4代目筆記者。筆記者とは、全ての生命に死をもたらす強力な「禁種の蟲」を体内に封じている者のことです。
筆記者は、蟲を退治する話を書物に書き記すことで代々「禁種の蟲」を封じる力を持ちます。しかし、その役目に一生を費やすのです。
筆記者は、その証として身体の一部に墨色のアザを生まれ持つ持ちます。端麗は右足ですが、アザがある部分は自由に動かせられず痛みも伴います。
生まれた時から、自分の運命が決まってしまっている。書き記すことを怠れば封じる力は得られません。
ぬい
母親を亡くして行き倒れていたヨキ(ギンコ)を拾い、蟲師としての基本を教えてくれた女蟲師です。
ギンコと同じく、蟲を呼び寄せる体質で白髪緑眼でした。彼女は、郷里の近くの山中に消えた家族や友人を探して入り、そこで常闇(とこやみ)と銀蠱(ぎんこ)と呼ぶ蟲に遭遇します。
常闇とは、昼間は日陰などにいますが夜になると小さな蟲を食べる闇のような蟲。銀蠱と共存しています。人間が常滑に捕らわれると自分の名前も、記憶も失ってしまうのです。
ぬいは、最後に自身も常闇となって消えてしまいます。その際ともに常闇に呑まれたヨキを、左目を犠牲にすることで常闇から脱け出させるのです。
『蟲師』あらすじ
およそ遠しとされしもの。
下等で奇怪、見慣れた動植物とはまるで違うとおぼしきモノ達。
それら異形の一群をヒトは古くから畏れを含み、
いつしか総じて『蟲』と呼んだ。引用:蟲師1巻冒頭ページから
蟲は、私たちが見慣れた動植物とは異なる奇怪な生き物。蟲師であるギンコが蟲が引き起こすあらゆる現象と遭遇する物語です。
蟲師とは、蟲専門の医者であり研究者でもあります。まだまだ謎の多い生命体で人間にとってはなかな見ることができないため怪現象として悩まされます。
ギンコが蟲師として、さまざまな土地を巡る中で出会う蟲と人の生き様を描くファンタジー作品です。
一話完結で、蟲と人間のかかわりを描いています。作者が、よくこんな風にいろんな蟲たちを考えたもんだとちょっと関心したりもします。
『蟲師』のポイント
この物語は、一話ずつ完結します。蟲の数ほど物語もあるという訳ですが、どれも蟲が人に及ぶす影響の様を丁寧に描いているので蟲対人間というよりは共存していると感じます。
もちろん、現在の世には蟲はいないのでしょうが科学では説明のつかない摩訶不思議な現象はないとは言い切れませんよね。
それぞれの物語から、蟲によっておこる現象を読み進めると蟲というより人間と向き合っているように思います。物語ごとの主人公の気持ちの変化、蟲との対話も見てほしい点です。
筆者の感想
実は、『蟲師』を始めて見たのは深夜のアニメ番組が初めてなんです。それも、娘たちが好んで見ていました。
妖怪物は、好きな我が家なんですがこれはちょっと違いますよね。存在しないであろう蟲とその現象に苦しむ人を蟲師が治すわけですから。
蟲の医者ですから、もっとテンポよく話が進むと思いきやとても慎重にことは進んでいきます。
1話完結で、主人公のギンコが常に大活躍するわけではなく蟲と関わる人間が主人公なところも飽きないところかもしれません。
読み終わった後になんとも温かい気持ちになったり、後を引く印象になるのは蟲に世界に足を踏み入れてしまったからなんですかね…
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